本日6時限終了後、学年全員を体育館に集めて体育教師の有難いお説教を拝聴いたしました。内容は端的に言うと女子生徒全体の品位の低下についてでした。僕は初めは、愚かなことにも男子はいる必要ないんじゃないかとか、そもそも校則を破るような人は話聞いてないだろうとかそんなことを考えていました。
先生の話は、女性の座り方から日本古来の伝統にまで及び、結局「足を開いたりあぐらをかくのは男の座り方なんだよ」と言って話を一端止め、今度は辞書には「着崩れる」という表現は載っているが「着崩す」という表現はない。という事を言ったまではよかったのですが結局だからなんなのか言わずに話をシフトさせて次はスカートについての話題に入りました。これは非常にわかりやすく、先生は2度にも渡り「足が太い女子がミニスカートを履いても相手に不快感を与えるだけだ」と仰いました。挙句の果てに「足が綺麗な女子が足を見せたいのはよく分かる」などと言いだして話は終わりました。
話を聞いた女子生徒は憤慨していて、「スカートを制服にするのが悪い」という真っ当至極、納得してしまうような意見を出していました。ですが、僕はその中一人感動していたのでした。先生のお話の構成が、なかなかに見事だったからです。「座り方」「服の着崩し」「スカート」の3ポイントをうまくつなげて話を作っていたのですが、僕なりの解釈を説明します。
まず、先生は「座り方」の項で僕達に、男女差別とられかねない発言をすることで自分の視点が教師と言うよりも、個人、であることを示します。ですが、僕たちはこの時点ではまたいつもの話か、としか感想を抱かず、まさか先生の掌中で遊ばれているのだとは思いもよらないことだったのです。
次の「服の着崩し」についての話は、あえて結論付けないことで僕たちに想像させるミスディレクションであったと言えましょう。
そして最後の本音暴露ですが、これは凄いです。上記の二つの話で僕たちの感情を「ああまたいつものか」と完全に誘導しておいて、全ての話題、つまり座り方についても服についてもスカートについても結局は先生が個人として不快になるから、てゆうか似合わねえし目の毒だから美人さん以外やめろこらという極私的且つ横柄な意見に収束させたのです。短編小説くらいの文字数で伏線、聞き手の誘導をやってのけたのは体育教師にしてはがんばったのではないでしょうか(差別)
でも、
女子は別に先生にかわいいと思わせようとしてるわけじゃないので全部が全部無意味な発言であったことは心の中にだけしまっておきたいと思います。
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